【銀座の今昔】

タウン誌への期待

中央区役所企画部広報課　園田典子課長

　「銀座15番街」創刊２００号の発行、心よりお喜び申し上げます。
　今や毎日のように新しい雑誌やインターネットサイトが誕生する一方、あっという間にその姿を消していくものもあり、目まぐるしくさまざまな情報があちらこちらで発信されている時代です。このような時代に「銀座15番街」が、51年間の長きにわたり世界に誇る銀座の情報を発信し続けてこられたことは、発行・編集に携わられる方々の熱意と、そしてまさしく「この街を愛し、愉しみ、誇りを持つ」方々の思いから成るものと存じます。
　私共が編集・発行している区の広報紙「区のおしらせ中央」では、広く区民の皆さまなどに対してイベントのお知らせや啓発に関する記事などを分かりやすく発信することに努めております。近年は少しでも多くの方に興味を持っていただけるように、１面に写真を大きく用いたり、関心の高い記事を配置するなど毎号、工夫を重ねています。しかしながら、行政の広報という立場から、固有名詞が使いにくいという制約や一律の公平性という点などから、本区のさまざまな魅力を十分に発信しにくいもどかしさがあります。
　貴誌には、銀座の歴史を語る大変貴重な写真やまちの懐かしい風景を思い出させてくれる写真が毎号掲載されており、楽しみにされている方々はさぞ多いことと思います。中でも「写真・資料で綴る銀座八丁」というタイトルで掲載された昭和20年９月撮影の銀座の写真はなかなか目にする機会のない大変貴重なものでした。
　また、以前に連載されていた「銀座の技」では、一流店が看板料理の作り方を写真付きで紹介していましたが、やはり伝統を大切に受け継ぐ細やかな技があってこそ守られる味なのだろうと感じました。
　このようにまちの歴史や発展の姿、そこで商う人々、集う人々も含めたまちのアイデンティティーをしっかりとつかみ、将来像を描き出していくことこそが、まさにタウン誌の役割といえるのではないでしょうか。
　今後も、銀座で長きにわたって商いを続けられている方々の仕事に対する思いと、お客様への思いやりがあふれる「銀座15番街」が、末永く続いていくことを心より願っております。